「上司は部下を選ぶことができるが、部下は上司を選ぶことができない」と言われるビジネス社会。最近ではセクハラ・モラハラなどの問題がクローズアップしており、企業側も社会的な信用失墜を懸念することから、厳しく対処するようになってきました。
しかし、上司と部下の相性の良し悪しは、どうしても払拭することができません。では、嫌いな上司に対してはどのように対処して行けばいいのでしょうか?
嫌いな上司への対処法
嫌いな上司に対しては、どのように対処していけばいいのでしょうか?
無理に好きになる必要はないが必要最低限の挨拶は必要
人には相性というものがあります。性格が合わないこともあるでしょうし、怒りっぽい上司のためにどうしても顔を合わせることが億劫になることもあるかもしれません。
そのような嫌いな上司を無理矢理に好きになろうとする人もいますが、その必要は決してありません。好きになろうと上司のご機嫌を取っていることであなた自身が精神をすり減らしてしまうかもしれないからです。
しかし、社会人としての最低の、マナーは守っておきたいものです。「おはようございます」「お疲れさまでした」「ありがとうございます」これらの言葉は日常生活の中でも必要最低限の挨拶ですが、せめてこのくらいの言葉を交わすことは、忘れないようにしておきましょう。
自分の考えを伝える・指示を求める
相手が嫌いな相手であっても、ビジネス上では上司なのであれば無視することはできません。仕事をすることが大前提なので、円滑な人間関係を築くことができなくても、上司との仕事上でもコミュニケーションは必須です。
そのため嫌いな上司であっても、私心を含めずに自分の考えを上司に伝えることは大切なこと。そして、仕事に対して具体的な指示を求めることも忘れないようにしておきましょう。
このようなことを繰り返していくことで、嫌いな上司であっても仕事で接すること・会話することに抵抗が少なくなっていくことでしょう。
反面教師にする
嫌いな上司はどんな点が目に付くのでしょうか?相手の性格が好きになれなかったり、考えそのものが嫌であったり。生理的な理由で嫌いになることもありますが、その多くは相手の性格的なものが多いのではないでしょうか?
このような場合は、嫌な上司を反面教師として見るようにしてみましょう。相手の嫌いな面を見て、あなた自身がそのような人間にならないようにと思うこと。
相手の嫌いな部分を参考にして、自分がそうならないようにするための反面教師として上司を見ることで、ある種の感謝の気持ちが生まれてくるかもしれません。
「あの上司のおかげで自分があのようにならなくて済んだ」と思うのです。人との縁は何かしらの理由が必ずあるもの。もしかすると嫌いな人が上司になったのも、あなた自身を成長させるために必要な出会いなのかもしれません。
上司の良い点を見る
どんな人間にも長所・短所はあります。どんなに嫌いな上司でも必ず良い面があるはずです。日頃は非常に怒りっぽくて短気な性格であっても、曲がったことが大嫌いな性格であったり、部下が困っている時は決して見放すことなく、自分の問題のように考えてくれる...
このような側面を持っているかもしれません。そのため性格が合わない上司であっても、相手の良い点を見ることで、徐々に上司に対する見方が変わってくる可能性だってあります。
以前は大嫌いだった上司であっても、付き合いが長くなっていくうちに信頼感が芽生えて、尊敬できる人になることも。このように相手の長所を見ていくことで、上司に対する見方が大きく変わっていくのです。
一定の距離を保つ
嫌いな上司であっても避けることはできません。しかし、いつも近くで接する必要もありません。そのため仕事上で必要なコミュニケーションを保ちつつ、一定の距離を保っておくことで、嫌いな上司であっても大きなトラブルになることはないでしょう。
上司を完全に無視することは、自分が抱えている仕事を円滑に進めていく上では、障害になってしまうことが少なくありません。仕事は自分1人でできるものではなく、チームで遂行していくものなので、どうしても上司と接することを避けることができません。
そのために必要な時にコミュニケーションを取るようにして、それ以外は一定の距離を取っておくこともいいでしょう。
嫌いな上司との適切な接し方
嫌いな上司との付き合い方には色々な方法がありますが、忘れてはならないことがあります。それは報告・連絡・相談の3つ。いわゆる報・連・相ですね。
嫌いな上司との適切な接し方を考えた場合、この報・連・相を忘れなければいいでしょう。
営業職であれば、取引先との状況や仕事の進捗状況を適時、報告することは当然です。
また、上司に伝えるべきことはリアルタイムに連絡をして、困ったことがある場合は必ず報告をする。ビジネスマンとしては当然やるべきこと。
何かしらのトラブルや問題を抱えたままでは、たとえ上司が嫌いだからと言っても、自分1人で解決しようとは思わないでください。企業は組織で動いているので、必ず報・連・相を行い、適切に上司の判断を仰ぐことが大切です。
万が一、上司が自分のことを嫌っているからと、あなたからの報・連・相を拒んでいるのであれば、それは上司が自身の仕事を放棄していることになります。このような時はさらに上の立場の人に対して相談してみることが必要だと思ってください。
ビジネスをスムーズに進めていくためには、良好な人間関係が必要ですが、相手が嫌い・苦手だからと言って拒むことは、社会人・企業人としては失格なのですから。